
空調の効いた部屋にいるはずなのに、突然首から上がカーッと熱くなり、額や背中からタラリと汗が吹き出して止まらなくなる。ハンカチで拭っても拭っても収まらず、人前で「どうしたの?」と思われていないか焦ってしまう……。
40代を過ぎてから、このような不意の「ほてり」や「急な汗」に戸惑ったことはないでしょうか。
「ただの暑がりになったのかな」と見過ごしてしまいがちですが、この急激な体熱の変化は、更年期世代の女性の多くが経験する「ホットフラッシュ(血管運動神経症状)」と呼ばれる現象のサインです。身体の中で何が起きているのかを知り、付き合い方を整理していきましょう。
突然のホットフラッシュ、身体の中で何が起きている?
背景にあるのは、この流れです。
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エストロゲンの減少により、脳が体温調節の指令を出しすぎてしまう
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視床下部が混乱し、実際には暑くない状況でも血管を急速に広げる
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大量の発汗で体熱を逃がそうとする反応が起こる
私たちの体温調節を司っているのは、脳の「視床下部」にある自律神経の中枢です。視床下部は、体温を一定に保つための司令塔としての役割を果たしています。
40代以降、卵巣の機能が低下してエストロゲンの分泌量が急激に減少すると、脳はホルモンの分泌を促す指令を過剰に出し続けるようになります。この状態が視床下部を刺激し、自律神経の体温調節機能まで巻き込んで混乱させてしまうと考えられています。
結果として、実際にはそれほど暑くない環境であっても、脳が体が危険なほど熱くなっていると誤って認識し、皮膚の血管を急速に広げて大量の汗を放出し、体熱を逃がそうとします。これが、ホットフラッシュによる急な熱感や汗の正体です。
汗をかいた後の「急激な冷え」という二次トラブル
ホットフラッシュのつらさは、一時的な暑さや汗だけにとどまりません。汗が引いた後にやってくる冷えもまた、身体を疲弊させる要因のひとつです。
一気に大量の汗をかくと、その汗が蒸発する際に身体の熱(気化熱)を奪っていきます。すると今度は一転して首元や背中、お腹まわりがひんやりと冷え、ゾクゾクとした寒さを感じやすくなります。
急激な加熱と急激な冷却が短時間のうちに繰り返されることで、自律神経はさらに消耗し、慢性的なだるさや疲労感、不眠といったトラブルにつながることがあると考えられています。
血管の揺らぎをおだやかに整える3つの過ごし方
1. 「温度調節しやすい服」と首元ケア
一気に汗をかいたときにすぐ脱ぎ着できるよう、カーディガンやストールを使った重ね着スタイルが基本です。汗をかいた首元をそのままにしておくと一気に冷えるため、吸水性の良いハンカチを持ち歩き、汗をかいたらすぐに優しく拭き取る習慣をつけましょう。
2. 深い呼吸で交感神経の高ぶりを抑える
ホットフラッシュが起きて焦ると、交感神経が優位になってさらに血管が開き、汗が止まりにくくなります。ほてりを感じたら、鼻からゆっくり息を吸い、口から時間をかけて細く長く吐き出す腹式呼吸を数回繰り返してみてください。自律神経が落ち着き、熱感が引きやすくなるとされています。
3. ポリフェノールや植物由来の栄養を意識する
毎日の食事では、大豆イソフラボンや、フルーツ・野菜に含まれるポリフェノールを意識して取り入れましょう。ホルモンバランスの変化が大きい時期の、内側からのコンディショニングの一助になります。
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❓よくある質問
Q. ホットフラッシュで汗をかいたとき、冷たい水を一気に飲むのは良いですか?
急なほてりを感じたときに冷たい水を飲むと一時的に心地よく感じられますが、胃腸が一気に冷えて自律神経の負担が増えることがあります。常温の水や温かいお茶を少量ずつ飲むのが、身体に負担をかけないコツです。
Q. 更年期の症状はどれくらい続くものですか?
更年期の波や期間には個人差が大きく、数ヶ月で落ち着く方もいれば、数年単位で付き合っていく方もいます。あまりに症状がつらい場合は、無理をせず婦人科などの専門医に相談することをおすすめします。