フェムケアってなに? はじめてのフェムケア入門|女性の健康とケアの基礎知識

フェムケアは、すべての女性に関わる日常ケア

最近、SNSや雑誌で耳にすることが増えた「フェムケア」。
でも「特別な人だけのケア」や「自分には関係ないもの」と思っていませんか?

フェムケアは、年齢や立場を問わず、すべての女性、そして女性を支える人に関わる考え方です。 月経、PMS、更年期、妊娠・産後、デリケートゾーンケア、メンタルケアなど、ライフステージや体調の変化に合わせて行う、心と体のケア全般を指します。

ここでは、フェムケアとフェムテックの違い、主な対象領域、年代別のヒントまでをわかりやすく解説します。


フェムケアとフェムテックの違い

フェムケア(Femcare)

 feminine(女性らしさ)+care(ケア)
女性特有の健康課題やライフステージごとの変化に寄り添うケア全般を指します。
例:月経ケア、PMS対応、デリケートゾーン保湿、更年期サポート、メンタルケアなど。


フェムテック(Femtech)

 female(女性)+technology(技術)
女性の健康課題をテクノロジーでサポートする製品・サービス。
2016年にClue共同創業者 Ida Tinが命名。
例:健康管理アプリ、吸水ショーツ、温熱デバイス、排卵予測デバイスなど。


フェムケア・フェムテック主な対象領域(7つのテーマ)

  • 月経:周期に伴う不快感や日常生活への影響を軽減

  • 妊活・産前産後:ホルモンバランス、体力・栄養の回復

  • 更年期:ほてり、不眠、気分の揺れ、自律神経の乱れ

  • デリケートゾーンケア:pHバランス、腟内フローラの健康維持

  • メンタルケア:ストレス対処、睡眠の質向上

  • セクシャルウェルネス:性の健康、性教育

  • 職場・家庭環境:理解促進、相談しやすい空気づくり

💡 これらはライフステージや体調の変化に応じて必要性が入れ替わったり重なったりします。だからこそ、全体を通して支える視点が欠かせません。


なぜ今、フェムケアが注目されているのか

女性の就業率の上昇とライフスタイルの多様化

妊娠・出産・育児・介護を経験しながら働く女性が増え、「健康課題と仕事の両立」が大きなテーマに。キャリアと家庭を同時に担う人が増える中で、日常的にからだと向き合うセルフケアの重要性が高まっています。


タブー視されていたテーマの変化

生理や更年期、性の悩みといったテーマがSNSやメディアで発信され、企業や自治体も情報提供に取り組むように。「話してはいけない」から「知っておきたい」へと価値観が変化しています。


「セクシャルウェルネス」という新しい視点

WHOの定義では“セクシュアリティ(性)に対して身体的・感情的・精神的・社会的に健康な状態”であること、とされています。これは、単に病気がないという意味ではなく、「性の健康」や「性教育」の観点も含まれます。
妊娠・出産にまつわる健康から、性的な経験を安全で尊厳あるものとして守ることや、こうした“性”の分野をタブー視せず、自分らしい関わり方を考えることは、心と体の全体的な健康にもつながります。


💡タブー視をやめる=必ずしもオープンにする必要はありません。
恥ずかしさの理由を自己対話で整理することで、自分なりの距離感と関心の持ち方が見えてきます。


政策による後押し

厚生労働省は毎年3月1日〜8日を「女性の健康週間」と定め、国・自治体・団体が連携して啓発活動を実施しています。
さらに2025年6月に決定された「女性版 骨太の方針2025」では、女性の健康課題への対応を国の重点方針として位置づけ、特に、ライフステージや性差に配慮した施策が盛り込まれ、行政レベルでの支援体制が強化されました。主な内容は以下の通りです。

  • 月経・更年期による離職防止

  • 性差を考慮した研究・技術開発(ジェンダードイノベーション)の推進

  • フェムテックの推進、生理の貧困対策、緊急避妊薬の利用検討

  • 仕事と健康課題の両立支援


💡女性特有の健康課題による経済損失が年間約3.4兆円(※1)、更年期離職だけで約6,300億円(女性に限定すると約4,200億円)(※2)という試算もあります。

※1 経済産業省 ヘルスケア産業課(令和6年2月)
※2 NHK「更年期と仕事に関する調査2021」


テクノロジーを活用したフェムテックの発展

アプリや吸水ショーツ、ウェアラブルデバイスなど、テクノロジーを活用したアイテムが世界中で次々と登場しています。こうした流れは日本でも加速しており、フェムケアやフェムテックは、特別なものではなく“日常の選択肢”として根づき始めています。


誰にとっても大切なフェムケア ─ 年代・ライフステージ別ヒント

フェムケアは特定の年齢層やライフスタイルの人だけのものではありません。
心と体はライフステージごとに変化し、そのタイミングや内容は人それぞれ。だからこそ、今の自分に合ったケアを選び、心地よく過ごすことが大切です。

ここでは年代別に、起こりやすい変化とフェムケアのヒントをご紹介します。


10代:体と心の基礎づくり

  • 初経〜月経リズムの安定期
    月経周期が安定せず、経血量や痛みに差が大きい時期。初経から数年間は生理周期が不安定になりやすく、PMSや月経困難症が強く出ることも。

  • 成長期特有の栄養不足
    骨や血液の材料となるカルシウム・鉄分は、成長と月経の影響で不足しやすい栄養素。特に鉄不足は疲れやすさや立ちくらみの原因にも。

💡 月経周期を記録して自分のリズムを知ることから。痛みは我慢せず、吸水ショーツや温活アイテムなどを取り入れて。


20代:ライフスタイル確立期

  • ホルモンリズムへの影響
    睡眠不足や不規則な生活、強いストレスは、ホルモン分泌のリズムに影響しやすく、月経周期の乱れやPMS症状の悪化につながることがあります。20代は就職や独立などで環境変化が大きく、生活基盤が固まる過程でこれらが慢性化しやすい時期。

  • 将来の健康準備
    外食や夜更かし、ストレスで肌や腸のトラブルが起きることも。多忙な中でも将来の健康準備として、婦人科検診やセルフケア習慣を早めに整えておくと安心。

💡 不規則な生活は早い段階でリセットを。アプリでの体調記録や、生理用品・温活グッズなどのフェムケアアイテムを試して、自分に合う方法を見つけておくと◎


30代:多様なライフステージとプレ更年期の入口

  • 妊活期
    葉酸サプリや基礎体温・排卵日のモニタリングなど、フェムケア・フェムテックの活用が増える時期。パートナーとの協力体制づくりも重要。

  • 出産・産後期
    授乳や育児による体力消耗、肩こり・腰痛に注意したい。産後のホルモン変動による気分の落ち込みや抜け毛などが出やすい時期。骨盤底筋ケアや産後用インナー、温活グッズで回復をサポート。

  • 子育てと仕事の両立期
    突発的な欠勤や夕方以降の疲労がピークになるなど、生活環境が変化する時期。自分のケアや睡眠が後回しになりやすい。睡眠や生理周期のモニタリングは忘れずに。

  • キャリア重視期
    多忙やストレスによりPMSや肌荒れが悪化してしまう人も。定期的な婦人科検診が安心材料に。

  • プレ更年期の兆し
    周期の乱れ、疲れやすさ、集中力低下などが出始める人も。症状が続く場合は婦人科での相談や検査を。


💡 ライフステージが複雑に重なる時期。だからこそ「自分を後回しにしない」工夫が大切。


40〜50代:更年期と向き合う時期

  • プレ更年期〜更年期
    閉経前後5年間は、ほてり・発汗・動悸・気分の揺れなど更年期症状が出やすくなる。周期の乱れや体調変化が続く場合は、婦人科での相談や検査を。ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬など、医療的な選択肢を知っておくと安心。

  • 骨密度・筋力低下
    骨量は閉経後から急激に減少しやすく、運動不足が進行を早めるため、ウォーキングや筋トレなどの習慣化と、カルシウム・ビタミンDの補給を意識したい。

  • 睡眠の質低下
    ホルモン変動により中途覚醒や入眠困難が起こりやすい。就寝環境の見直しやリラクゼーション法の取り入れが有効。

💡 フェムケアアイテム+医療・運動・食事の複合アプローチが、日常をラクにする鍵。


60代以降:生活の質を守るケア

  • 骨盤底筋の衰え
    加齢や閉経後の影響で骨盤底筋が弱まり、尿もれや腟の違和感が出やすくなる。骨盤底筋トレーニングや適度な運動で機能維持を。

  • 粘膜乾燥・不快感
    女性ホルモン低下により腟や皮膚の乾燥が進み、かゆみや痛みが出ることも。保湿ジェルやオイル、専用ソープで日常的なケアを。

  • 骨粗鬆症・転倒予防
    骨量減少や筋力低下が進むため、ウォーキングや筋トレ、バランス運動を継続したい。カルシウム・ビタミンD・たんぱく質の摂取も意識。

💡 骨盤底筋トレーニング、保湿ケア、ウォーキングなどを継続し、快適さと自立した生活を維持。


女性を支える立場の人にも

パートナーや家族、職場の同僚がフェムケアの知識を持つことで、日々のサポートや声かけが的確になります。理解が広がることで、本人が不調を抱えていても「相談しやすい」環境づくりにつながります。


わたしの酵活が届けたいこと

フェムケアは一時的な流行ではなく、将来の健康を支える長期的な投資です。

「わたしの酵活」は、“代わりのいないあなたを、知識とアイテムで支える”という想いのもと、女性の体を総合的にケアできる習慣を提案しています。これからも、ライフステージや体調の変化に合わせて選べる、日常に根づくフェムケアをお届けしていきます。

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