「更年期」という言葉に、どんな印象を持っていますか?
“汗が止まらない”“気分が落ち込む”“仕事に支障が出る”…。ネガティブなイメージが先行し、できれば考えたくないと思う方も少なくありません。
けれど実際には、30代後半から40代の「プレ更年期」と呼ばれる時期から、少しずつ体のサインは始まっています。
朝起きても疲れが抜けない、理由もなくイライラする、肌や体型の変化に気づく──そんな日常の小さな違和感が、「もしかして?」の始まりかもしれません。
厚生労働省の調査では、医療機関を受診し更年期障害と診断される40代女性は4%程度ですが、「更年期かもしれない…」と感じている人はおよそ3割にのぼるとされています。※
更年期は、症状の出方や受け止め方も人それぞれ。正しく理解することで、不安はぐっと軽くなります。
更年期とは?正しく知ることから安心が始まる
更年期の定義
「更年期」とは、閉経をはさんだ前後10年間を指します。
日本人女性の平均閉経年齢は約50歳とされ、一般的には45〜55歳頃が更年期にあたります。
つまり「ある日突然始まる」のではなく、数年単位でゆるやかに体が変化していく期間のこと。この時間をどう過ごすかによって、更年期の印象は大きく変わります。
女性ホルモンの変化
更年期の体に大きく関わるのが、女性ホルモン「エストロゲン」の減少です。
月経や妊娠などの生殖機能に関わるホルモンとして知られていますが、実際には、
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骨密度を維持する
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血管をしなやかに保つ
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自律神経を安定させる
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皮膚や粘膜をうるおす
といった、全身を守る多面的な働きを持っています。
そのため分泌が減ると、心身のさまざまな場所に影響が出やすくなるのです。
更年期に現れる症状の幅広さ
更年期症状としてよく知られるのは「ほてり」「発汗」「気分の落ち込み」などですが、実際にはもっと幅広い症状があります。
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肩こりや頭痛、動悸、不眠といった体調の変化
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イライラ、気分の落ち込みといった心の変化
そして意外かもしれませんが、「粘膜の乾燥」も症状の一つです。
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口臭
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鼻のムズムズ
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ドライアイ
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デリケートゾーンの乾燥
このように「ホットフラッシュ」や「メンタル」だけではなく、全身にさまざまなサインが出ることを知っておくことで「なぜか不調が続く」と感じたときに、必要以上に不安にならずにすみます。
なぜ「こわい」と思われがちなのか
更年期が“こわい時期”として語られやすいのには理由があります。
まず、症状を経験しても婦人科を受診する人はまだ少ないのが現状です。
「忙しくて行けない」「ただの疲れかもしれない」「大ごとにしたくない」──そんな理由から、我慢してしまったり、どうしたらよいのか分からず立ち止まってしまうケースも少なくありません。
また、更年期はちょうど家庭や仕事での大きな役割と重なる時期でもあります。
子どもの思春期や進学、親世代の介護、職場での責任増加など、多くのライフイベントが重なりやすく、心身の変化を「環境のストレス」と混同してしまうことも。
こうした背景が「更年期は大変そう」「こわい」というイメージを強めているのです。
ただ、最近は更年期に関する情報がオープンになり、セルフケアの方法や実体験、病院での治療法などが広くシェアされるようになりました。
以前よりも、自分に合った選択肢を持てる時代になりつつあります。
プレ更年期でできる準備
30代後半から40代前半は「プレ更年期」と呼ばれる“ゆらぎ”の時期。この段階で少しずつ準備をしておくことで、更年期を安心して迎えることができます。
体調リズムを知る
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月経周期や睡眠の質、気分・体調の変化を簡単に記録。
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スマホアプリでも手帳でもOK。
「体がゆらぐリズム」を可視化することで、不調が起きたときに「いつものパターン」と認識でき、余計な不安を減らせます。
セルフケアを習慣化する
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睡眠:寝る前はスマホや強い照明を控えて。
リラックスできるルーティンをつくるのがおすすめ。 -
食事:特別な制限は不要。発酵食品や野菜、良質なたんぱく質をバランスよく。
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運動:ウォーキングやストレッチなど、気持ちよく続けられる軽い運動で十分。
「頑張る運動」ではなく「心地よい習慣」が続けるコツです。
専門家とつながる
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いざというときに相談できる場所を持つことは、大きな安心に。
初めて受診するときは...
「最近の体調の変化」「気になる症状」「生理の状況」をメモして持参するとスムーズ。困ったらここに行けるという安心感そのものが、不安を軽くします。
自分を後回しにしない
家事や仕事に追われる日々だからこそ、一日10分でも「自分のための時間」を確保したいですね。
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ハーブティーをゆっくり飲む
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好きな音楽を聴く
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外を散歩する
小さな習慣で気持ちをリセット。ほんの短い時間でも「自分を大切にできている」という感覚が、心の支えになります。
周囲との関わりが安心を生む
更年期をラクに過ごすためには、セルフケアだけでなく「周囲との関わり」も大切な支えになります。家族だけでなく、職場や友人、そして自分自身との向き合い方も含めて考えてみましょう。
家族との関わり
症状は目に見えにくいため、誤解されやすいもの。
「ただの不機嫌」などと思われないように、「今日は眠りが浅くて疲れている」「体が重いから夕食は簡単にしたい」と感情ではなく事実を伝えることが大切です。
小さな説明を重ねるだけで、家族の理解が深まり「一人じゃない」という安心感につながります。
職場での理解とサポート
更年期はちょうど働き盛りの時期と重なるため、仕事との両立に悩む人も少なくありません。「集中力が続かない」「会議中に汗が止まらない」といった状況は、本人にとっても大きな不安です。
最近は企業の中でも更年期への理解が広がりつつあります。勇気を出して上司や同僚に「体調に波があること」を伝えると、勤務時間の調整や業務のサポートが得られる場合もあります。 無理に隠すよりも、オープンにしたほうが働きやすさが増すケースも少なくありません。
友人やコミュニティとのつながり
同じ世代の友人やコミュニティで話をすることも大きな支えになります。
「私もそうだよ」「こうすると楽だったよ」と体験を共有し合うことで、“自分だけじゃない”と気づけるのです。
SNSやオンラインコミュニティでも、更年期に関する情報交換は活発になってきています。安心して話せる仲間を見つけておくことは、心のバランスを保つためにも役立ちます。
自分自身との関わり
忘れてはいけないのは「自分との向き合い方」です。
「まだ大丈夫」と頑張り続けたり「みんなやっているから」と無理を重ねるよりも、「今日は早めに休もう」「少し手を抜いてもいい」と、自分に許可を出すこと。
完璧であろうとせず、ペースを落として“ゆるめること”が、更年期を軽やかに過ごすセルフケアになります。
自分を大切にすることで、結果的に家族や仕事との関係もラクにしてくれますよ。
更年期は“こわい時期”ではなく“新しいステージ”
更年期は「自分の時間を取り戻すステージ」。
正しい知識と、ちょっとした習慣の積み重ねが、そのスタートを安心で満たしてくれます。
そして、毎日のケアを楽しく続けるために、私たちは発酵食品を手軽に取り入れられるインナーケア 『わたしの酵活』 をお届けしています。
水なしで手軽に摂取できる形にしたのは、忙しい毎日でも"自分を後回しにしない習慣"を応援したいから。
これまでの頑張りをいたわりながら、次のステージを楽しむ準備をしていきましょう。
代わりのいないあなたを、知識とアイテムで支える──
こんな想いで、今日も心を込めてお届けいたします。
どうかこれからの日々も、安心と期待をもって迎えていただけますように。
※参考文献・出典
厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査」(2022年)