メノポーズ週間も4日目を迎えました。
これまで、更年期の基礎知識や心身の変化との向き合い方、そして海外で広がる前向きな文化についてお伝えしてきました。
では、その変化を支えるために、私たちは何ができるのでしょうか。
その答えのひとつが、「毎日の食事」です。
今日は、更年期を内側から支える食事と腸活のチカラについて、科学的な根拠とともにお届けします。
「食べるもの」が、心と体を変えていく
「食べたものでからだはつくられる」
よく耳にする言葉ですが、これは更年期にこそ実感できる真実です。
更年期の心身の変化は、ホルモンバランスの揺らぎだけでなく、食生活や腸内環境とも密接に関係しています。
栄養バランスの取れた食事は、ホルモンを整えるだけでなく、腸や粘膜、そして気分にも影響を与える“内側からのケア”の基本です。
ポイントは、「何を食べるか」よりも「どう続けるか」。
体にやさしく、楽しみながら続けられる食の習慣が、更年期を前向きに過ごすための土台になります。
特別な食事や厳しい制限は必要ありません。
日本人が昔から食べてきた和食を中心とした食事——大豆製品、野菜、海藻、魚。
これらが、実は更年期を支える力を持っているのです。
更年期に意識したい栄養素
🫘 大豆イソフラボン(エクオール産生)
植物性エストロゲンで、ゆらぎをやさしく支える
大豆に含まれるイソフラボンは、体内で「エクオール」という成分に変換されることで、女性ホルモンに似た働きをすることが知られています。
このエクオールは腸内細菌によって代謝されて生まれ、更年期症状の緩和や骨密度・血管機能のサポートに関係していることが研究で明らかになっています。
💡研究では、尿中エクオール量が多い女性ほど更年期症状が軽い傾向が確認されています。
ただし、エクオールを作れるかどうかは腸内細菌の状態によります。
日本人女性のうちエクオールを産生できるのは約半数ほどといわれ、若い世代では約30%にとどまるという報告もあります。
つまり、大豆製品を食べるだけでなく、腸を整えることがカギ。
腸内環境を整える「食物繊維」「大豆」「海藻」を意識的に摂ることで、イソフラボンの力を引き出すことができます。
🦴 カルシウムとビタミンD
骨の健康を守る基本の栄養素
女性ホルモンには骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きがあります。
更年期を過ぎると骨量が減りやすくなるため、カルシウムとビタミンDを意識して摂ることが大切です。
おすすめの食材:
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カルシウム:
小魚、チーズ、牛乳、豆腐、小松菜、ひじき -
ビタミンD:
鮭、さんま、きのこ、卵
💡ビタミンDは日光を浴びることで生成されます(1日15分の散歩でもOK)
💡カルシウム+ビタミンDを一緒に摂ると吸収率がUP
💡マグネシウムも骨の形成をサポートします(海藻・ナッツ・玄米)
🐟 オメガ3脂肪酸
血管とメンタルのための“抗炎症栄養”
青魚やえごま油に多く含まれるオメガ3脂肪酸は、血液をさらさらにし、炎症を抑える働きがあります。
更年期以降に高まりやすい動脈硬化リスクの予防や、脳・メンタルの安定にも役立つとされています。
おすすめの食材:
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青魚(さんま、さば、いわし)
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くるみ
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えごま油・亜麻仁油(加熱せずに使用)
💡週に2〜3回、魚を食べる習慣を意識したいですね◎
🥦 食物繊維
腸からホルモンバランスを支える
食物繊維は腸の動きを助け、善玉菌のエサとなって腸内環境を整えます。
腸内環境が整うことで、エクオール産生能や免疫力、気分の安定にも良い影響があることがわかっています。
おすすめの食材:
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水溶性食物繊維:
海藻、こんにゃく、果物、大麦 -
不溶性食物繊維:
野菜、きのこ、豆類、雑穀
💡白米を雑穀米に変えるだけでも、無理なく食物繊維を増やせますよ◎
腸・粘膜・気分をつなぐ“内側のネットワーク”
腸は「第2の脳」と呼ばれるほど、メンタルやホルモンと深く関わっています。 腸と脳は神経やホルモンを通じてつながっており、これを「腸脳相関(gut-brain axis)」と呼びます。
幸せホルモン・セロトニンの約90%は腸で作られています。
腸内環境が整うとセロトニンの産生が促進され、気分が安定しやすくなります。
反対に、腸内環境が乱れるとイライラや落ち込みなど、心の不調が強く出ることも。
また、粘膜の健康は免疫機能とも深く関係しています。
エストロゲンが減少すると、皮膚や粘膜の乾燥、口の渇き、デリケートゾーンの不快感などが起こりやすくなります。
腸の粘膜も同様に影響を受けるため、腸を整える=全身の粘膜を守るケアにもつながります。
発酵食品や食物繊維を摂ることで、腸の粘膜が修復され、全身のバリア機能の回復に。
更年期女性にうれしい3つの食材
🍑 いちじく ― やさしく整える「女性の味方」
古代エジプトでも“聖なる果実”と呼ばれた、歴史ある果実・いちじく。
食物繊維(ペクチン)とミネラルが豊富で、腸の動きを整えながら体内のめぐりをサポートします。
注目の栄養:
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食物繊維(ペクチン):腸内環境を整える
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ポリフェノール(アントシアニン):抗酸化作用で肌と血管を守る
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カリウム・鉄分・カルシウム:ホルモン変動期の栄養サポート
やさしい甘みとねっとりとした食感で、心まで満たしてくれる果実。旬を過ぎても、ドライいちじくや発酵食品と組み合わせて1年を通して楽しめます。
💡低GIで血糖値の急上昇を抑えるため、おやつにも最適。
🍎 ざくろ ― めぐりと透明感を支える「女性の果実」
古代から豊穣と生命の象徴とされてきたざくろ。
その鮮やかな赤い果肉には、強力な抗酸化物質が多く含まれています。
注目の栄養:
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ポリフェノール(エラグ酸・プニカラジン):酸化ストレスを軽減
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ビタミンC:コラーゲン生成を助け、肌のハリを保つ
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カリウム:水分バランスを整える
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食物繊維:腸の健康維持に役立つ
ざくろのポリフェノールは腸内で代謝され、吸収されやすい形になります。
そのため、体の内側からめぐりや潤いを支えるサポートが期待されています。
💡ジュースやざくろ酢など、朝の1杯に取り入れるのもおすすめ◎
🥣 発酵食品 ― 腸から整える“おいしいケア”
味噌、納豆、ぬか漬け、ヨーグルトなど、発酵食品は日本の伝統的な健康食。
乳酸菌や麹菌が腸内の善玉菌を増やし、ホルモンバランスや免疫のサポートに役立ちます。
主な働き:
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腸内環境を整える
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栄養吸収を高める
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免疫力をサポート
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気分の安定を助ける
発酵食品を多く摂る人は、腸内でエクオールを作りやすいという報告もあります。お味噌汁、納豆、甘酒など、毎日の食卓に取り入れやすいのが魅力です。
💡冷えやすい時期は「温×発酵」がカギ。味噌汁や甘酒で、腸と気分をやさしく温めましょう。
今日からできる、心地よい食習慣
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朝は味噌汁と豆製品でスタート
腸と体温をやさしく目覚めさせて始めよう◎ -
間食は「我慢」ではなく「味方」に
ナッツやドライいちじく、ヨーグルトでリラックス補給。 -
水分と発酵をセットに
白湯やハーブティー、甘酒などで内側から温め粘膜をうるおす。 -
「完璧に整える」より「少し意識する」
小さな積み重ねで体を変えていくことを大切に◎
『わたしの酵活』が提案する、“おなかから整える”ケア
日本には、食で体を整える文化が根づいています。
『わたしの酵活』は、そんな日本の発酵の知恵と、女性のゆらぎに寄り添う想いから生まれた無添加発酵インナーケアです。
福岡県産いちじく「博多とよみつひめ」やざくろ、乳酸菌クリスパタス菌など、女性を想う素材を配合しました。
また、地域素材75種をじっくり熟成発酵させることによって、栄養が吸収されやすくなり、腸内環境を支える力が高まります。
忙しい毎日でも、“自分をいたわる3秒”を。
そのままでも、ヨーグルトや豆乳に混ぜてもおいしく続くセルフケア。
『わたしの酵活』は、そんな「腸から支えるやさしい習慣」をお届けします。
まとめ:おいしく続けることが、いちばんのケア
更年期を前向きに過ごす鍵は、“我慢”ではなく“楽しみながらととのえる”こと。
おいしいと思える食事を通して、日々の自分を労わること。それこそが、心と体をやさしく支える、いちばん身近なセルフケア。
「最近、調子がいいかも」
そんな日が少しずつ増えていくことを願って。