【Day5】更年期と仕事|“働き方を更新する”という選択

 



 

メノポーズ週間の5日目は、「更年期と仕事」がテーマです。

40〜50代は、仕事の責任が増す一方で、家庭や地域の役割も重なりやすい時期。
そこにホルモンバランスの変化が加わることで、心身にさまざまな揺らぎが起こります。

「頑張りたいのに、思うように動けない」
「仕事に迷惑をかけたくないけれど、体がついていかない」

働き盛りの40代・50代に訪れる更年期。症状が仕事に与える影響と、企業・職場ができるサポート。自分自身のケア方法まで具体的に紹介。

自分らしく働き続けるための環境づくりと、キャリアの転換期をチャンスに変えるヒントをお届けします。




「仕事を続けられない」と感じる女性たち


朝起きても疲れが取れない。会議中に急に顔が熱くなる。集中力が続かず、ミスが増えた気がする。

「このまま仕事を続けられるだろうか」——そんな不安を抱える女性は少なくありません。


更年期の症状は、日常生活だけでなく、仕事にも大きな影響を与えます。しかし、その影響は見えにくく、周囲に理解されにくいのが現実です。

「体調不良」とひとことで片付けられない、複雑な症状。「年のせいだから仕方ない」と我慢してしまう人も多くいます。

しかし、職場の理解とサポート、そして働き方の見直しにより、この時期も自分らしく働き続けることができます。



更年期離職という社会課題

過去3年間で約46万人が離職

NHKと労働政策研究・研修機構(JILPT)が2021年に行った調査 [※1]に基づく試算によると、過去3年間において更年期症状が原因で離職した40代・50代の女性は約46万人に上るとされています。

働く女性の約4人に1人が更年期世代にあたる今、更年期離職は個人の問題ではなく、社会全体の課題となっています。


年間4,200億円の経済損失

また、更年期離職による1年間の経済損失は、企業と個人を合わせて4,196億円(うち労働者の所得損失は約2,400億円)に及ぶと推計されています。[※2]

さらに、経済産業省の試算によると、更年期症状による経済損失は、女性で1.9兆円、男性で1.2兆円におよぶとされています。[※3]

これは、企業にとっても見過ごせない問題です。経験豊富な40代・50代の女性社員を失うことは、企業の競争力の低下にもつながります。


なぜ離職に至るのか

更年期症状を経験した女性のうち、6人に1人(15.3%)が「仕事を辞めた」「労働時間・業務量減」「降格・昇進辞退」「非正規化」といった経験しています。

特に、「人手不足」「対人ストレスが大きい」「求められる責任や役割が大きい」といった職場環境に置かれている人ほど、離職に至りやすいことがわかっています。

多くの場合、症状そのものよりも、「理解されない」「サポートがない」という孤立感が、離職の決定打となっています。


 

[※1] 独立行政法人労働政策研究・研修機構(2021)「NHK実施『更年期と仕事に関する調査2021』結果概要」 

[※2]「働く女性の更年期離職」(JILPTリサーチアイ第70回 2021)

[※3] 経済産業省(2024)「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」

 


更年期、仕事への影響は?


どんな症状が仕事に影響する?

身体的症状:

  • 疲労感・だるさ

  • ホットフラッシュ

  • 睡眠障害

  • 頭痛・めまい

  • 動悸

  • 肩こり・腰痛


精神的症状:

  • 集中力の低下

  • 記憶力の低下(ブレインフォグ)

  • イライラ・怒りっぽさ

  • 不安感

  • 気分の落ち込み


デスクワークや接客業、あらゆる職種に影響する症状です。


「仕事のパフォーマンスが落ちた」と感じる瞬間

  • 会議の内容が頭に入らない

  • メールの文章がまとまらない

  • 簡単な計算ミスが増えた

  • 人の名前が出てこない

  • 同じことを何度も確認してしまう

  • 感情のコントロールが難しい

「以前のように働けない自分」に焦りを感じ、自信を失ってしまう方も少なくありません。


離職を考える理由

実際に離職を考えた・離職した理由として、以下のような声が聞かれます

  • 「体力的についていけなくなった」

  • 「責任のある仕事を任せてもらえなくなった」

  • 「周囲に迷惑をかけたくない」

  • 「更年期のことを言いにくい雰囲気がある」

  • 「休みが取りづらく、無理を重ねて限界に」

  • 「理解してもらえず、孤独を感じた」



職場で使える実践的対処法

症状が出たときの即効対策

 

ホットフラッシュが起きたら:

  • 深呼吸をして落ち着く

  • 冷たい水を飲む

  • 首筋を冷やす(携帯用の冷却シートを常備)

  • 扇子や小型扇風機を使う

  • 一時的に席を外してクールダウン


集中力が続かないとき:

  • タスクを小分けにして、短時間で完了できるものから取り組む

  • タイマーを使って25分集中・5分休憩(ポモドーロ・テクニック)

  • 午前中の調子が良い時間に重要な仕事を入れる

  • メモを活用


疲労感が強いとき:

  • 昼休みに10分だけ仮眠(パワーナップ)

  • 軽いストレッチや散歩で体を動かす

  • 糖質に頼らず、ナッツや果物で栄養補給

  • 水分をこまめに摂る



環境調整の工夫

 

温度管理:

  • 羽織りものを常備(冷房対策+ホットフラッシュ対策)

  • デスクに小型扇風機を置く

  • 上司に相談して座席位置を調整(空調の風が直接当たらない場所へ)


照明・音:

  • 頭痛やめまいがある場合、照明の明るさを調整

  • 集中したいときはノイズキャンセリングイヤホンを活用


休憩の取り方:

  • こまめに小休憩を入れる

  • トイレ休憩を増やす(頻尿対策も兼ねて)

  • ランチタイムは一人でゆっくり過ごす日も作る



時間管理とタスク優先順位

 

  • エネルギーのピークを知る:
     更年期は、1日の中で調子の波があります。自分の「調子が良い時間帯」を把握し、その時間に重要な仕事を入れることが大切です。

  • 優先順位をつける:
     すべてを完璧にこなそうとせず、「今日はこれだけはやる」というタスクを明確にしましょう。

  • 断る勇気を持つ:
     体調が優れないときは、新しい仕事を引き受けない勇気も必要です。「今はこれ以上は難しいです」と伝えることは、決して悪いことではありません。



職場・企業ができること|更年期を支える環境づくり

 

1. 更年期に関する理解促進研修

全社員(男性含む)を対象に、更年期に関する研修を実施することで、職場全体の理解が深まります。


研修内容の例:

  • 更年期とは何か

  • どんな症状があるか

  • 仕事への影響

  • 職場でできるサポート

  • 利用できる制度


特に、管理職向けの研修は必須です。部下を持つ立場の人が理解していることが、離職防止の鍵となります。



2. 相談しやすい体制づくり

 

産業医・保健師への相談窓口:

  • 定期的な面談の機会を設ける

  • 気軽に相談できる雰囲気づくり

  • プライバシーの保護を徹底


ピアサポートグループ:

  • 同じ経験をする女性同士が語り合える場

  • ランチ会や座談会の開催

  • 社内SNSでのコミュニティ



3. 柔軟な働き方の制度整備

 

すでにある制度を使いやすく:

  • 有給休暇・半日休暇の取得促進

  • フレックスタイム制度の拡充

  • テレワーク・在宅勤務の柔軟な活用

  • 時短勤務の選択肢


新しい制度の検討:

  • 更年期休暇(イギリスBBCなどが導入)

  • 通院のための特別休暇

  • リフレッシュ休暇



4. 職場環境の整備

 

物理的な環境:

  • 空調の個別調整(扇風機の設置など)

  • 休憩室の整備(クールダウンできる場所)

  • 明るさや音の調整

  • トイレを使いやすくする(頻尿対策)


心理的な環境:

  • 「休む=悪いこと」ではない文化づくり

  • 互いに助け合う雰囲気

  • ハラスメントの防止



5. キャリア継続のサポート

 

一時的に業務量を減らしても、キャリアに影響しないことを明言:

  • 「体調が回復したら、また元の業務量に戻せる」

  • 「昇進・昇格に影響しない」

  • 「評価は公平に行う」

こんなメッセージがあるだけで、女性は安心して働き方を調整できます。



6. 先進企業の事例を参考に

 

イギリス:

  • BBCが更年期休暇やサポート制度を導入

  • 管理職向けの更年期研修を実施

  • 更年期カフェ(相談できる場)を設置


オーストラリア:

  • 公的機関が更年期ガイドラインを作成

  • フレックスタイム制度の柔軟な活用


日本:

  • 一部企業が更年期に関する社内研修を開始

  • 社内報やイントラネットでの情報発信



キャリアの転換期として|自分らしい選択をするために

 

「できないこと」より「できること」に目を向ける

更年期は、確かに体力的には厳しい時期かもしれません。しかし、40代・50代だからこそできることがあるはず。


経験と知恵:

  • 長年の経験から培った判断力

  • 若手を育てる力

  • トラブル対応力

  • 人間関係の調整力


視野の広さ:

  • 俯瞰して物事を見る力

  • 優先順位をつける力

  • 無駄を省く力



キャリア棚卸し・働き方見直し

 

更年期を「制限」ではなく、「働き方を見直すチャンス」と捉えること。

それは、女性だけでなく、すべての世代にとって大切な視点です。

この時期の女性は、経験を重ね、チームを導く力や柔軟な判断力を備えています。

 一時的な体調変化を“衰え”と見るのではなく、“リズムの変化”として受け止めることが、 長期的なキャリアの継続につながります。


見直しのための問い:

  • 本当にこの仕事量が必要?

  • もっと効率的な方法はない?

  • 自分にしかできないことは何?

  • 誰かに任せられることはない?


新しい挑戦のタイミングに:

  • 部署異動や職種転換を考えてみる

  • 副業や複業を始めてみる

  • スキルアップの時間に充てる


人生100年時代といわれている現代で、50代は折り返し地点。

これからの働き方を、自分らしく選び直す時期と捉えることもできますね。



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  • 会議前の集中力アップに
    大切な会議の前に一口。頭がすっきり、集中アップ◎

  • 仕事の合間のおやつとして
    3時のおやつに。甘いものが欲しいとき、罪悪感なく楽しんで◎

  • 出張のお供に
    出張先のホテルで夜の一息に。旅先でも自分のケアを忘れずに◎

  • ランチタイムのインナーケアに
    お昼休みに、豆乳に混ぜて。午後の疲れが軽くしたいときに◎


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『わたしの酵活』は、そんな日々の味方です。



まとめ:働き続けるために、できること


更年期は、キャリアの“終わり”ではなく、“新しい働き方の始まり”。

体と向き合いながら、自分のリズムで働ける社会をつくることが、誰もが安心して活躍できる未来につながります。

職場の理解とサポート、働き方の見直し、そして自分自身のケアにより、この時期も自分らしく働き続けることができますように。

 

>【Day6】更年期の体調リズムを再設計する|40代・50代が心地よく過ごすための科学とヒント

 

 

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