
メノポーズ週間の6日目は、「リズム」をテーマにお届けします。
これまでの記事では、更年期の基礎知識、症状との向き合い方、世界のポジティブな動き、食事と腸活の力、そして働き方のアップデートについて触れてきました。
今回は、ホルモンや自律神経の“波”を、科学的に、そして日常のリズムとして捉え直していきます。
変化を「失う」ではなく「再編する」と捉える
40代を過ぎるころ、多くの女性が感じるのは「なんとなく前と違う」という感覚です。
体力の低下、寝つきにくさ、感情の波、集中力の持続しにくさ——。
これらは、体のリズムが再び“組み替え”を始めたサインです。
女性ホルモン(エストロゲン)は体温や睡眠、自律神経など、全身のリズムに深く関わっています。分泌リズムが変化すると、体温や気分の波にも揺らぎが生まれます。
体が新しいバランスを探している“再チューニング”の過程。
変化を否定せず、新しいリズムを受け入れることが、心身の安定につながります。
ホルモンと体内時計の関係
私たちの体には、約24時間周期で体温やホルモン分泌を制御する「サーカディアンリズム(概日リズム)」があります。この体内時計は脳の視床下部にある「視交叉上核」で司られ、朝の光によってリセットされます。
更年期になると、エストロゲンの減少により自律神経のバランスが乱れやすくなり、睡眠や体温のリズムにも影響します。
夜眠れない、朝早く目が覚める、昼間ぼんやりする——
こうした変化は、体内時計の同調が少しずれているサインかもしれません。
整えるヒント:
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朝起きたらカーテンを開け、日光を浴びる(体内時計のリセット)
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寝る前のスマホを控える(ブルーライトがリズムを遅らせる)
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寝る1〜2時間前にぬるめの入浴で体温を一度上げる
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朝食をとり、腸と脳のリズムをそろえる
こうした小さな習慣の積み重ねが、乱れがちなリズムを整えていきます。
自分のリズムを知る3つのサイン
1. 体温と睡眠
更年期では、ホットフラッシュや冷えによって体温リズムが乱れ、眠りに入りにくくなることがあります。
「夜は体温を下げ、朝は上げる」
——この自然な流れを意識することが、質の良い眠りへの第一歩です。
ぬるめの入浴や温かい飲み物、夜の照明を落とすことなど、簡単な方法でも効果があります。
2. ストレスと自律神経
交感神経(活動)と副交感神経(休息)の切り替えがうまくいかなくなると、気分の波が大きくなります。
「今日は静かに過ごす日」と決めるなど、自分の波を否定せず受け入れる姿勢が回復力を高めます。
深呼吸や軽いストレッチ、好きな香りを使ったリラックス習慣も、自律神経のバランスを整える助けになります。
3. クロノタイプ(朝型・夜型)
人にはもともと「朝型」「夜型」のタイプがあり、年齢とともにやや朝型にシフトします。
40代以降は、「午前中に集中」「午後は緩める」など、エネルギー配分を意識してみましょう。 1日の調子を簡単にメモすることで、自分の“波形”が見えてきます。
優先順位を変える ― “To-feelリスト”のすすめ
更年期は、身体の変化だけでなく、価値観の再構築期でもあります。
「To-doリスト」ではなく、「どう感じたいか」「どうありたいか」を基準にした“To-feelリスト”をつくってみましょう。
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穏やかに過ごしたい → 会議を詰めすぎない
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よく眠りたい → 夜の作業を減らす
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自分を責めずにいたい → 完璧を手放す
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楽しみを持ちたい → 趣味や人との時間を確保
「何をやめるか」を選ぶことも、立派なセルフケア。
自分のエネルギーをどこに使うかを意識的に選ぶことが、更年期を“再設計のチャンス”に変えます。
1日のリズムをデザインする
自分の波を理解したら、次は「1日のリズム」をデザインしてみましょう。
大切なのは「効率」より「調和」。
体調の波を暮らしの設計に組み込むことです。
🌄朝のリズム:整える時間
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朝日を浴びて体内時計をリセット
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コップ一杯の水と軽いストレッチで代謝をON
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朝食でたんぱく質と糖質をバランスよく摂る
☀️昼のリズム:リセットする時間
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昼食後の10分仮眠(午後の集中力アップ)
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デスクワークの合間に深呼吸や肩回しを
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ナッツや果物で血糖値を安定
🌃夜のリズム:しずめる時間
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就寝2時間前に照明を落とす
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入浴→ストレッチ→読書など同じルーティンを繰り返す
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「今日はよく頑張った」と一言、自分をねぎらう
自分のエネルギーカーブを描く
1週間、自分の体調を★5段階で記録することで、“自分の波形”を見える化することで、どの時間にどんな行動が合うのかが明確になります◎
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朝7時:★★★☆☆(まだ眠い)
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午前10時:★★★★☆(集中できる)
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午後3時:★★☆☆☆(疲れやすい)
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夜9時:★★★☆☆(ゆるやかに回復)
“自分の波形”を見える化したら、それに合わせて1日のタスクを設計していきましょう。
「24時間を効率的に過ごす」という視点から、「自分のリズムに合わせる」という視点に。
これが結果的に、パフォーマンスの最大化につながります。
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高エネルギー:判断や創造的な仕事
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低エネルギー:事務作業や休息
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回復タイム:散歩や入浴などのリラックス
「頑張る時間」と「ととのえる時間」を区別することで、 無理のない1日がデザインできるように。この“マイ・リズムマップ”を活用してタスク管理することで40代以降がもっと生きやすくなりますよ◎
フェムケアとウェルビーイング|自分のリズムを尊重する生き方
フェムケアという言葉が広まった今、その意味は「女性特有のケア」にとどまらず、「人がそれぞれのリズムに合わせて生きる文化」へと進化しつつあります。
月経や更年期、睡眠や気分の波。
それらを整えることは、単に不調を“治す”ことではなく、変化と共に調和して生きる力を育てること。
この考え方は、世界でも広がりつつあります。
例えば、英国ではBBCやNHSが更年期支援制度「Menopause Workplace Pledge」を導入し、米国では“Cycle Syncing(サイクル・シンキング)”と呼ばれる、体調リズムに合わせた働き方・運動法の考え方が広まっています。
日本でも「日によって調子が違うのは自然なこと」という意識が、健康経営や働き方改革の中で少しずつ浸透しています。
“整える”とは、均一に戻すことではなく、 “波に合わせてチューニングしていく”ということ。
更年期をきっかけに、働き方や暮らし方、セルフケアの優先順位を見直す動きは、年齢や性別を超えて広がる“リズム・ウェルビーイング”という新しい時代の兆しでもあります。
わたしの酵活と、リズムのある暮らし
『わたしの酵活』は、そんな“リズム・ウェルビーイング”のためのスイッチに活用されるインナーケア。
朝のはじまり、仕事の合間、夜のリセットタイム。
1日3秒のセルフケアが、体のリズムを支え、心を穏やかに整えます。
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朝のエネルギーチャージに:
ヨーグルトに混ぜて、体の目覚めをサポート -
午後のリセットに:
甘いものが欲しいときに、気分の切り替えを -
夜のリラックスタイムに:
照明を落とし、静かに味わう習慣として
“おいしく続けられること”が、リズムを取り戻す第一歩。
福岡県産いちじく「博多とよみつひめ」やざくろ、乳酸菌クリスパタス菌など、女性のからだを想う厳選素材と発酵の力で、からだのリズムを内側からサポートします。
まとめ:わたしのペースを取り戻す
更年期は「整える」から「デザインする」へ。
リズムを再構築することは、暮らしや働き方、生き方そのものを見直すことでもあります。
ホルモンの波が変わっても、あなたのペースはあなたが決められる。
それは、誰かに合わせるリズムではなく、自分の内側にある音。
変化を恐れず、再設計を楽しむ——。
その選択が、“これからを心地よく生きる力”になります。